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========== 本当のあとがき ==========

 やいやい、ようやく現れたな、ジェリィ平賀! いや、君島助松と呼ばせてもらうぞ。
 勝手に「あとがき」なんて書いて出版しやがって。この野郎。
 この俺が実在しない人物だってのは、どういうことだ。まったくもって、すこぶる不愉快だぞ。
  それになんだ、あれは。「これを書いたのは、ひょっとすると、ジェリィ平賀本人ではないか、という声も聞こえてきそうです」だと? 格好つけやがって、こ の野郎。やっぱ貴様、俺が睨んだ通り、根っからのパクリ屋だよ。「あんなのただの伝達系の増幅役」「拡声器を持った小判鮫」っていう麗子ちゃんのセリフ思 い出すぜ。
 さーて、最後の最後に種明かしをしよう。この作品が、いったいだれによって書かれたか。
 それは、俺です。まぎれもなく亀井遠士郎です。
 確かに本は出版された。出版業者は天下のポット出版。あれだけ濃い内容だからどこの会社だってヨダレが出たんだろう。でも、なんで著者が「ジェリィ平賀」なんだ。書いたのは俺だっていうのに!
 人が苦心して作った作品がネットにあったからといって、原著者に断りもなく、これは私の作品かも知れませんよ、なーんて勝手に出版するなんて、ポット出版は著作権侵害だ!
 それに、こっちはえらい迷惑してるんだ。
 例によって例のごとく、敦子のヤツがこの本を買って仰天したんだ。なんで自分たちのことが書かれてるんだってね。娘のヒロミも学校に行きたくないって泣いていた。
 俺はきちんと説明したさ。俺は自分の作品をネットに流して、平賀がそれをパクッたんだと。
 敦子はバカだから、ポット出版の沢辺社長に抗議の電話を入れたよ。キーキー怒ったけど、らちが明かなかった。
 もーこうなったら裁判で決着だ--。どうだ、怖くなったか!
 平賀などに、こんな名作が書けるものか。こっちはお前なんかと違って、まっとうに生きてるんだ。仰いで天にはじずなんだ。
  確かに俺は、大阪の片田舎に暮らす中小企業の課長になったばかりの、どこにでもいる小市民かも知れない。雨にも負けず、風にも負けず、会社の朝礼でくだら んことをしゃべり、家では敦子とケンカばかりしている平凡きわまりないオヤジだ。どえらいローン背負って家を建てたものの、書斎すら持たしてもらえなかっ たのも事実だ。
 だけどな。俺はそんな生活をしながら、この作品を、毎日ちょっとずつスレイヴに書き続けてきたんだ。その結晶が、これだ。恐れ入ったか。がははははっ。
 ざまーみろだ。もう一回、がはははっ。
  で、裁判の話だけど、安心しなさい。起こさないから。そのかわり、お前(ジェリィ平賀)のこれまでの著作物をぜーんぶパソコンに撃ち込んで(おっと変換ミ ス)打ち込んでネットにばらまいてやる。だって、お前が最初に俺の作品を盗んだんだ。文句いえまい。いいか。これから出るすべてのお前の本は、ネットで無 料配布される。
 世界の皆さーん。読んでますか? ジェリィ平賀の本なんて買う必要ないですよー。
 さて最後に、全国の若オヤジ諸君へのメッセージ。
 それは、亀井は電脳回廊で待ってるぜ、ってことだ。この作品をばりばりコピーしてくれ。気にいらなきゃ、手を加えて、もっと面白い話に改編してくれるのも大歓迎だ。どうにでもしてくれ、ただし非営利でな。俺たちリーマンも、ハッカーになろうじゃないか。

 一九九八年六月二日

 東京出張の帰りに寄った梅田のニュージャパンサウナで
 オヤジたちのビール腹にエールを送りながら。
 ハッピー・ハッキング!
 亀井遠士郎

(どうだ敦子、少しは見直したか。ヒロミ、パパ格好良かったろ。おい、門土、読んでっか? お前も早くケツ治して、パソコン業界をぎゃふんと言わせてやれ。こういうやり方もあるんだ。俺に続け。いいな、俺に続くんだぞ)

========== 謝辞 に続く ==========

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